お茶会に招かれて(お菓子のいただき方1)
続いてお菓子のいただき方ですね。お菓子には主菓子(おもがし)といわれる生菓子と、かわいたお干菓子(おひがし)の二種類があります。お茶会ではこの二種類が使われます。
正式なおもてなしには主菓子は濃茶に、お干菓子は薄茶に持ち入られます。でも薄茶だけでもてなすとき、またおけいこの場などでは主菓子とお干菓子が揃えて出されることがあります。正式な茶事の場合、主菓子は懐石の直後に出され、そのあとに濃茶。薄茶の前にお干菓子をいただきます。薄茶だけの茶会の場合には主菓子につづいてお干菓子が出されます。その場合、懐紙に主菓子とお干菓子の両方をとり、お茶がたつまでに、まず主菓子を召しあがってください。お干菓子は二服目のお茶をすすめられるまで残しておきましょうね。
お点前に先立って、正客の前に食籠(主菓子器)が運び出されるので、一礼してください。正客はこれを受けて一礼します。次に食籠を両手でもって、正面はあけてやや上座(次客と反対の方向)に寄せておきます。つづいてお干菓子が運ばれてきます。このとき礼はありません。正客はお干菓子器を持って、食籠のやや上座の向こうよりにおいておきます。
お点前が始まり、茶せん通しが始まったら、正客は食籠を両手でとって畳の縁外、次客との間において、「お先にちょうだいいたします」と次礼(あいさつ)します。あいさつをしたら、食籠を両手で畳の縁外のひざ前に持ってきます。自分の正面、縁外の食籠を両手で軽くおしいただいて、畳の縁外において、亭主に向かって「お菓子をちょうだいいたします」と畳に両手をついて一礼します。
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