お茶会に招かれたとき(濃茶のいただき方)
薄茶のいただき方、少しでも参考になったらいいですね。次は濃茶と濃茶のいただき方をちょっとだけ。
「濃茶」は茶事において、最も大切なものだとされてるんですよ。
そして濃茶の飲み回しは「吸い茶」と言って、千利休が始めたとされているんですよね。
お茶には「濃茶」と「薄茶」があるのは知ってますよね。
「濃茶」とは一碗のお抹茶を一人で飲む薄茶と違って、一碗に点てられたお抹茶を、茶席の連座客で飲み回しするのが濃茶なのです。お客が三人いれば三人分を、五人いれば五人分を一碗にいっぺんにたてます。お客はこの一碗のお抹茶を飲み回します。(三人であれば三分の一ずつを、五人であれば五分の一ずつをのみます)
まず、亭主が茶碗tと出し帛紗(ふくさ)を出しますので、正客がお茶をとりに出て行きます。自席に戻り座ったら、ひざ前、畳の縁外の右よりにお茶碗を置きます。左手の手のひらの出し帛紗(ふくさ)を右手に持ち替えて茶碗の左側に置いて、居ずまいを直します。正客が右手でお茶碗をとって、左手の手のひらにのせてあしらって、右手で畳の縁内、次客との間に茶碗をおきます。出し帛紗(ふくさ)を右手で取って、左手に持ち替えお茶碗の左下座よりにおいて、「お先に」と一礼します。そのとき、お客(一碗で飲む人だけ)は総礼です。
正客がお茶を飲んでる間に、次客は三客に「お先にいただきます」と礼をします。次客以下も同様で、前のお客が飲んでるときに、次の客に次礼をします。正客が飲み終えたら次客へ送られます。正客から次客へ送り礼をされるので、次客は受けて一礼します。
自分の席に茶碗が送られてきたら、右手でお茶碗をとり、左手にのせてあしらって右手でひざの前におきます。右手でふくさをとって、左手の平にのせて開きます。ふくさの上に茶碗をのせて抹茶をいただきます。飲む量としては三口半くらいだそうです。(半というのは茶碗についてるお抹茶をすすることです。)飲み口にたまったお茶を吸いきったら、お茶碗をひざ前の右に、出し帛紗を二つに折ってお茶碗の左側に置きます。飲み終えたお茶碗は懐紙の一枚を四つ折りにして、角の和の部分で飲み口を拭き、一度拭いたところを折りなおして、別の新しい角できれいにふきます。さらに拭いて汚れた懐紙の角を折り込んで、別の角でもう一度飲み口を拭きます。お茶碗の飲み口を三回拭いて清めたら懐紙はたたみこんで右のたもとにいれます。洋服の場合は懐紙入れに入れたらいいですね。
お茶碗を右手で取り上げ、手前から向こう(時計の反対回り)に二回まわして正面を元に戻します。お茶碗を右手で次客との間縁内に、出し帛紗を右手で取って、左手に渡しお茶碗の左横に並べて「お先に失礼いたしました」と次客へあいさつをし、次客もお辞儀をします。これを「送り礼」といいます。
ポイント、
☆濃茶の場合は「お二人さまでどうぞ」とか「五人さんでどうぞ」などと声をかけてくれます。一個の茶碗で飲む人数を教えてくれるので、人数を考慮して飲む量を考えてね。
運ばれてきたお茶碗が正面におかれたら、「〇〇人でどうぞ」と声をかけられます。正面に置かれた茶碗を畳の縁内に取り入れてあいさつをします。そのとき「〇〇人で」の飲み回す人数の人が一緒に畳に手をついてお辞儀をします。
☆濃茶は飲み回しをするので、飲み終えたら飲み口を懐紙で拭きます。だから懐紙は忘れずに必ず用意しておいてね。
☆送り礼は濃茶の飲み回しのときにだけします。
☆お菓子はお点前が始まる前にいただきます。
言葉の説明
☆出し帛紗(ふくさ) ⇒ 亭主が濃茶を客に出すときに、濃茶の茶碗に添えて、
出す帛紗のことです。
客は出し帛紗(ふくさ)を使って濃茶をいただきます。
☆正 客 ⇒ 客側の主客のことです。目上の人やお茶に精通している
茶人など。
正客の以下の客を次客、三客といいます。
☆末 客 ⇒ お客の最後の席に座る人のことで、「詰(つめ)」とも
いいます。亭主の補助やお客の世話などをするために
お茶会に慣れた人がします。
豆知識
☆「濃茶」が主で「薄茶」は副のものであったそうですよ。「しきたり」も「お茶をさしあげる」は濃茶のことで、薄茶は「薄茶をさしあげる」と区別されてたそうです。
また濃茶は濃く、薄茶は薄くたてること、そして抹茶そのものも違うんですって。お茶の樹齢と栽培からして違うらしいですよ。知ってました?
「濃茶」と「薄茶」のお点前の違いにもあらわれていますよね。濃茶のお点前は薄茶のお点前が少し複雑になってるから、薄茶を基本としてしっかり覚えましょうね。
←前の記事 年の初めに一服どうぞ | 次の記事→ ひとり言 |