茶道をはじめてみませんか? 茶道の作法や魅力についてご案内します。

表千家の薄茶・風炉の運び手前1

薄茶風炉の運び手前
風炉の薄茶点前はあらゆる手前の基本です。時候で手前が炉や風炉になり,また茶室の大小によっても広間・小間の手前に分かれます。
まず風炉が広間に据えてある風炉の手前は、水指を風炉の横に持ち運ぶ「運び手前」とよばれ、手前の最初のけいこです。

お手前を始める前に、手前の準備として茶道畳に風炉を用意し、釜をかけます。そのとき釜の蓋は手前を少し開けて斜めにおきます。
水屋には、水指・茶碗(中に茶巾と茶せんを入れ、茶杓は茶碗の右端にかけます)・なつめ・建水(中に蓋置きを入れ、柄杓は建水にかけます)を準備しておきます。
最初は菓子器を運びますが、ここでは順番を変えます。お菓子については別項目で説明します。

道具の運び方・定められて位置に置く
まず、茶道口で水指をひざの前に置いてすわり、ふすまを引き手に近いほうの手で三分の二開け、手をかえてあけきります。ふすまを開けたら、一礼します。
次に水指の下のほうを両手の指をそろえて(小指が畳につくように)両手で持ってね。
(亭主が一礼するとき、客一同も礼をします。このときの客の礼を総礼といいます)

水指を帯の高さに水平に、体から10〜15aくらい離して、ひじは張らず、わきの下に玉子一個をはさんでるような気持ちで持って立ちます。目の位置は二・三歩先を水平よりやや下を見るようして、左足から茶室に入ってね。一畳を六歩(半畳は三歩)で歩いて、道具畳にきたら右寄りに二足歩いて座ります。
このときひざの線は道具畳の中央になります。両手で静かに水指を風炉の真横に置いてください。立ってお客のいるほう、右回りで水屋に戻ります。(詳しくは回り方をみてね)

次に右手で半円を描くように上から茶器(なつめ)を、左手に茶碗の左横を持ちます。棗は茶碗よりもやや高めで、茶碗と帯の高さに持って左足から入り、水指の前に座って、なつめ・茶碗を水指の前にそろえて置きます。(このとき茶碗となつめの間は畳目三目ほどだよ。)置いたら右回りで水屋に戻ってね。

建水を左手で柄杓の柄の右横を持って出ます。茶道口の前に斜めに座り、客に後(おしり)を見せないように建水をひざ前において、ふすまを閉めます。(ふすまの開け閉め方をみてね)

ふすまを閉めるとき、茶道口の横から入るのと正面から入るのでは座り方が違うから、気をつけてね。
横から入る場合はひざ前に建水を置いて右斜めにすわり、正面から入る場合は茶道口に左斜め前に座ってふすまを閉めたらいいよ。
ふすまを閉めるときのひざの位置


ふすまを閉めたら建水を、出てきたときと同じように柄杓の柄の右側を持って立ちます。畳のまん中を歩いて道具畳の中央までいって座ります。
座ったら左手で、建水にのせてある柄杓を少し持ち上げ、蓋置きを右手で取り出して柄杓は元に戻します。

右手で取り出した蓋置きを、左手の手のひらであしらって、右手で斜め上から持ち直し風炉の敷板(釜の下に置く台)の左前角の近くに置きます。
(敷板と畳のヘリの中央で、敷板の前の線に少しかかるところだからね)

蓋置きを置いたら、左手で柄杓を建水から取り、右手で柄杓の下から1〜2aのところを持って、左ひざの上で柄杓を構えます。次に左手を柄杓の節より上にし、柄を横にして右手で柄杓の節の下を上から持って、柄杓を蓋置きの上にのせます。そのとき柄が蓋置きからひざ前でひざ中央に斜めにくるように置いてね。柄杓を置いたら、両手を畳について一礼します。(このとき客一同は総礼です)
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