茶道の基礎となる動作1
お茶のけいこには最初に、座る・立つ・歩くそしておじぎという基本の動作にきちんとした決まりがあります。形から入って・そこに心が宿って初めて美しくなるのです。だから茶道のけいこをされた人は体がしゃんとした美しさがあり、立ち振る舞いには流れるようなスマートさが見られますね。すわり方
両ひざは握りこぶし一つくらいあけて、足は親指だけを(右親指を上にして左親指を下に。または左親指を上にして右親指を下に。)軽く重ねるようにしてすわります。あまり重ねすぎると全身の重みで足が痛くなりますよ。しびれて痛くなったら、親指だけを交互に上下に変えます。
背筋を伸ばして、胸を張るようにして、両手を離して両ひざの上におきます。
お客様の場合は畳のヘリから決められ寸法(畳の目数で十六目)をとって、左手を上にして自然に軽く手を重ねます。また扇子は席入りして、あいさつをするまでは右ひざの横に、あいさつがすめば、正客は扇子の要を上座にして、次席は要を下座にして後におきます。
すわり慣れていないと長い間すわってるとかなりきつい・つらいことですが、それを通り越すとあとは割りにすわれるようになります。すわり慣れることが大事です。正しいすわり方を学んでくださいね。
立ち方
座ってる姿勢から立ち上がるとき、両手をそれぞれの両ひざ頭にあてたまま、腰を浮かして両足をそろえたままゆっくりと立ち上がります。立ち上がるとき体が揺れないように、スッと立ち上がります。
立ち上がったとき両足は据わっていたところに、すわったときの位置にあるはずなのです。
座る・立つ・歩くの動きがスムーズに出来るようになることがおけいこでも大事なことなのです。
おじぎの仕方
おじぎの基本として「真」「行」「草」の三通りあります。
「真」は最も丁寧なおじぎで、背筋をのばし、両手は指先がふれるくらいに八の字にして、両ひざの前に6〜9aほどあけてつきます。相手を見てから頭を三十度くらいに丁寧に下げておじぎをします。腰から上体を自然に前に倒すような気持ちで、頭を下げ、一瞬とめて、ゆっくり頭をあげます。自然にしかも丁寧に、相手を敬う気持ちでおじぎをしてくださいね。掛け軸の拝見や主客の総礼などのときにします。
「行」は背筋をのばして、指の第二関節から先を畳につけて上体を軽く前に倒すような気持ちで頭を下げます。客同士のあいさつのときにします。
「草」は指先をひざの前の畳につけて上体を軽く前に下げます。会釈といわれるくらいごく軽いおじぎです。亭主が手前の途中でします。
足運び(歩き方)
お手前をするときは、何も持たずに歩くときは、両手はひざの上くらいに自然において、畳の二〜三歩前、水平よりもやや下を見るつもりで姿勢を正して歩くのが最もきれいに見えますよ。たたみ一畳を六歩(半畳は三歩)でややすり足気味で歩きます。
ややすり足気味で歩くと、ものやわらかな歩き方となるそうです。
茶室に入る最初の一歩は必ず左足からですよ。それからへやり敷居を踏まないように心がけてくださいね。
足運び(回り方)
お手前を終えたあと、水屋に道具を持って帰るときは、回ろうと思う反対の足から引いて回って帰ります。
建水を持って回るとき以外は全て、お客様のいるほう右に回って帰ります。
そろえた両足を左足を少しうしろ横に引いて、右足をそれよりも多く左足うしろ横にハの字に引いて、次は左足で右へ回って畳のヘリ前に歩きます。このとき左足は
道具畳(釜や水指しなど道具が置かれている畳)から次の畳へは踏み出さないように気をつけてくださいね。この回り方は最も大事なことですよ。次はハに字に引いた右足で次の畳に踏み出します。
建水を持って出るときは、反対の左回りです。そろえた両足の右足を少しうしろ横に引いて、左足はそれよりも多く右足うしろ横にハの字に引いて、次に右足で左に回って畳のヘリ前に歩きます。このときも道具畳からは踏み出さないように気をつけてくださいね。次はハの字に引いた左足で次の畳へ歩いてください。
←前の記事 ちょっとひと休みしましょ | 次の記事→ 茶道の基礎となる動作2 |